小論文の書き方と考察

出題分野とトピックス

小論文テーマの出題分野とトピックスについて概略をご紹介しましょう。その際、一つ注意しておく点があります。それは学部系統と出題分野傾向にはっきりとした相関関係が存在しないということです。

 

例えば、社会学部系統の経済学部の小論文試験において、人文学部系統の文化論が出題されることもあるということです。

 

したがってその対策を準備する際には、希望する学部の過去問の出題傾向を調べておくことが必須の条件となります。

 

出題分野・トピックス ・コミュニケーション論
・日本人論
・国際協調論
・人口問題
・経済摩擦と国際化
・食糧問題
・環境汚染
・地球温暖化
・後期高齢者医療問題
・高齢化社会と福祉問題
・子育てといじめ
・携帯電話とマナー
・インターネットと有害サイト問題
・iPS細胞とES細胞
・再生医療
・インフォームドコンセント
・リサイクル
・環境ホルモン

 

 

 

テーマの考察 エントリー一覧

【科学技術の進歩】
まずはじめの取り掛かりは具体的な例を考えましょう。携帯電話が本来の「電話」という枠組みを超えるような機能を付帯することによって、具体的にどのような問題が起こるのか考えてみてください。たとえば、携帯電話に次々と新しい機能が加えられていくことについてはいかがでしょうか。新しい機能なしでは携帯電話が使い物にならず、壊れてもいないのにもかかわらず、新しい機種の携帯電話に買い換えなければならないことも問題の一つかもしれません。科学技術が経済活動と密接なつながりを持ってしまったために、私達の生活の中には携帯...
【ボランティア活動】
まず、「ボランティア活動」に関する定義とボランティア参加率との関係について考えてみましょう。分かりやすい定義によってボランティア活動への理解を深めることで、参加率が高まる可能性はあるように思えますね。しかし、多くのボランティア活動参加者は、その定義について深く考えているでしょうか。あなた自身はいかがでしたか。また、ボランティアに対して日本人が持つイメージについても考えてみてください。ボランティア活動は評価されるべき行動とされる反面、偽善的行為や面倒なものと考える人も多いのではないしょうか。このよ...
【高齢化社会】
高齢化社会となっている現在の問題がどういうところにあるのかを、あなたの目を通して述べられるとよいでしょう。例えば、「高齢者を十分に受け入れるシステムができていない」という問題点をとりあげ、それがどういったものなのかを具体的に示していくほうが論述に深まりがでてきます。 「高齢者を十分に受け入れるシステムができていない」とあなたが述べるのであれば、どのような点ができていないと感じていますか。また「娯楽や風俗は若者中心となり、高齢者が楽しめる環境、施設が十分ではない」と主張するのであれば、どのような点...
【おおらかさ】
「おおらかさ」の意味内容が不明確では自問自答が難しくなりますので、まずは言葉を定義づけることからはじめて下さい。あなたの中で明確な定義を捉えることが出来たら、次の事柄を考察してみましょう。かつての日本では不況や暗い出来事が多い時代であってもおおらかさが失われていない、と指摘できるでしょう。では、同じように世情が暗い状況を経験したにもかかわらず、かつての日本にはおおらかさがあり、現代の日本にはおおらかさがなくなった理由はどのようなことだと考えますか?また自然のリズムにあわせて生活せざるを得ないかつ...
【終末期医療】
死を宣告されても人工呼吸器や生命維持装置が取り付けられている状態では、まだ死を死として受け入れがたい家族や親戚の人たちに対し、医師には何がしてあげられるでしょう。それこそ“優しさ”の具体的中身が問われて来るのではないですか。彼らの心情を思いやったうえで、どうすることが一体医師としての“優しさ”になるのでしょうか。そこの所を突っ込んで考えましょう。 「生命」とはいったい何なのか、また、人間らしく生きる意味とは、死ぬ意味とは何かを、あなたなりに深く洞察して、論述しましょう。「生」や「死」の捉え方は...
【国民性の変化と経済発展】
問題の意図を的確に捉え、経済発展をとげようとして国民性が変化した理由や経緯を追及し、そのうえであなたの考えが述べることが大切です。 まず、第二次世界大戦において、日本が始めて敗戦という出来事に出会ったことで国民が不安と苦難を抱えたとの指摘が、おおらかさを失った原因と考えることができます。確かに敗戦は日本にとっての大きな出来事ですから、国民性に影響を与えなかったということはないはずです。敗戦という失意の中で、国民の誰もが先行きに不安を感じていただろうということも容易に想像の出来ることです。しかし...
【国際社会との付き合い方】
日本と欧米との間で、「正義」「公正」の解釈の違いから起きる相互理解の不十分さについて、問題提起をされる場合があります。そして、これからの国際社会を円滑に保つために日本がとるべき態度について、考察させようとする課題について一つのヒントをご紹介しましょう。 その問題に対して、あなたは、相手への尊敬の念や自主性の有無という視点から考えてみましょう。例えば日本語は、相手によって言葉使いが微妙に違ってきますし、文法も複雑ですね。これは、相手に対する敬意を言葉で表そうとする日本人の態度が、端的に表れている...
【集団と個人の関係】
 分析メモを利用して「集団で人が思い通りに行動できない原因」と照らし合わせて、「人が集団の中で思い通りに行動できない例」について考えを深めてみましょう。 例えば身近な例で学校で掃除をさぼるという行動は、何が原因となっているのでしょう。「掃除をしていない人が周りにいる」という意識が働いていると考える以外に、他には何か意識はないでしょうか。たとえば「何はともあれ面倒くさい」や「本当は掃除をしたいのに、自分だけがやると『いい子ぶっている』と仲間から反感をかわれるのではないか」といったような意識も働くの...
抽象テーマ【心】
一般的に抽象的なテーマはむずかしく感じがちです。テーマに対してあなたがが抱いていた苦手意識を持つと論旨にわかりにくさを感じさせる原因になります。課題文に書かれている筆者の見解に対する理解や、そこに提示されている問題点の読み取りに関してもずれが生じてしまうことに繋がりかねません。例えば「物質的な豊かさが急に増加してきた現在、心という点で非常に貧しくなってきているので、心を大切にすることに努めねばならぬ」という、世間一般の人々の心についての捉え方に対して、筆者は疑問を投げかける形で論を展開していくよ...
頻出テーマ【日本語事情】
 日本語の変化を時代の流れから考えてみると、たしかに古典と現代語ではまったく違いますし、明治と平成という比較的近い時代でもかなり変化していますね。このように比較してみると、その時代ごとに、言語がもつ意味の捉え方の違い、感覚の違い、外国文化の影響などから、日本語が変化していくのはある程度は当然ともいえると思われます。このように言葉を変化させてきたのはどんな人達だと思いますか?  物質的な刺激が言葉の変化をもたらすということが考えられます。人は変化のない日常には過去とは異なる変化を求めるのかもしれま...
【心の時代】の自問自答
 確かに現代は、経済や自然科学の発展によって私達の身の回りの物が豊かになり、便利な生活を送れるようになりました。しかし私たちの心がそれに見合うだけの豊かさをもっているのかという発想もできるはずです。物か心かという二者択一的に考え、心を取って物を捨てるという極端な発想ではなく、物も大切だし心も大切だとした上で、ただ物の方が目に見えすぎるので、目に見えない心を強調するためのキャッチフレーズだと「心の時代」という言葉をとらえているのです。 ここのテーマについて考えてほしいことです。参考にして下さい。・...
【日本と欧米の相互理解】
 課題文のある小論文ではその内容を十分に理解することが大切ですが、大抵の場合その文章は一部分の抜粋にすぎません。 その中で何が書かれているのかを短時間の内に把握する必要があります。そのコツは筆者が言おうとしていることがまとめられている部分を効率よく探し出すことにあります。 接続助詞の「すなわち」や「つまり」といった言葉の後には筆者の見解がまとめられているので、注意して読み込んでいきましょう。そこでこのページでは「日本と欧米の相互理解について」というテーマでの考察例を紹介しましょう。 課題文の中に...
頻出テーマ【個性の尊重】
個性について導入部分で具体的なあなた自身の例を列挙しましょう。その際のポイントは、アウトラインの段階でもう少し掘り下げておく必要があります。たくさんの思いをあなたが思いつく限り書き出してみましょう。その中から取捨選択して小論文の中に取り込めばいいのです。選択肢は多い方が論述がスムーズに進むはずです。 例えば、親に比較された経験からあなたはどんな気持ちでしたか。親はどういうつもりで比較してしまうのでしょうか。親はあなたに発奮してもらいたくてできのいいAさんを引き合いにだしたのかもしれません。それを...
【技術革新と私達の暮らし】
技術革新は私たちの生活に深く関わっており、技術革新なしには生きていけないとあなたは考えますか?技術革新がそのように重要なものであるとしたら、「価値の高いもの」「選択すべきもの」とは技術革新のことを指しているのでしょうか? そうだとすれば、技術革新の恩恵を享受するためには、多少の犠牲を強いられることがあったとしても、それらを我慢しなければならないのでしょうか?反対に、犠牲を払うことなどできないとしたら、我々は技術革新に頼ることをあきらめるしかないのでしょうか? それとも、これまでの技術革新のあり方...
【少子高齢化問題】
少子高齢化社会のテーマについて様々な情報の中のどの点に重点を置いて考え、少子高齢化社会のテーマについてどれだけ多くの視点からバランスよく考察することができるか、ここがポイントになります。ある1つの情報が何を意味するのか、裏に現れる影響はどのようなものがあるのか、ここを詰める作業に重点を置いてみましょう。まずは「高齢化社会の定義」について考えてみましょう。大まかに「高齢者の割合が多いこと」とまとめることも出来ます。そして、それによって起こる問題点を2
【ストレスと社会の問題点】
 まずは「心が重視されているはずの時代に、心の病気が増加している原因は何なのか」という問題提起をしてみましょう。後は、この着眼点をどのように深め、あなたの意見として展開させるかが重要となってきますね。そうした点に注意しながら、具体的な内容を考えましょう。 自殺願望にさえ至ることのあるうつ病とは、現代における大きな社会問題ですが、それを生み出している原因の一つは、どこの家庭にも見られる「基本的な心のあり方」にあるのかもしれませんね。そこから、「過度の期待の恐ろしさ」という問題を見いだすこともできる...
頻出テーマ【人生の生き方】
人生の生き方のパターンとして二つの道を想定することができるでしょう。まず一つ目は「滅私奉公」型の生き方と、自分のやりたいことをやりたいように生きるやり方の二つです。そのなかでも、キーワードとしてあげられている「滅私奉公」の中身について深く分析してみましょう。そして、「滅私奉公」という、自分以外の要素に対して、自分自身の実力をすべて注ぎ込むやり方を「選んだ」のも自分自身であり、そこに本人の「意思」が絡んでいる以上、「滅私奉公」は強いられたものではない、という考え方を提唱することができるでしょう。 ...
【規則と法則を教育に活用】
 そのことと社会生活の中で必要とされる一定の決まり事(ルール)としての規則とは少々意味合いがちがいます。もっとも自然法思想によれば、人間の決め事である法律も、自然の法則にかなったものでなければならないとされますので、この2つはまったく無関係ではないのです。したがってあなたが論述する際にはこの両者の相違と関連とを正しく認識しておく必要があります。 また規則があることは悪いことでしょうか。既存の規則は全て新しい規則に取って代わらなければならないかのような主張を展開しては、少し極端な方向流れてしまいま...
同じテーマで異なる考察
小論文の課題は、同じ題材でも設問によって全く異なる考察が求められます。   例えば「高齢者介護の福祉制度」という新しい法制度を説明する課題文が添えられて出題される場合でも、「高齢者を抱える家族や本人の立場からどういう制度が望ましいかを考えなさい」という設問と、「福祉の経済的課題を考えざるを得ない我が国の場合、今後どのような高齢者介護の福祉制度を辿ることが望ましいか」という場合では、考察すべきことが異なります。 また、前者の「高齢者を抱える家族や本人の立場からどういう制度が望ましいかを考えなさい...
【経済発展の方策】
 社会で失業者がいなくなり国民所得が高まったことは、経済的発展の面からは確かに成功だったといえるでしょうが、このまま完全雇用を維持し経済成長を遂げるためには、もともと社会では不必要だったはずの商品に対する需要を、今後も作為的につくり続けていかねばならない事態となります。そのために社会に害となるものを広める行為が、長い目で見たときに、真に社会の発展につながっていくものかどうかも考えてみる必要がありそうです。 社会の問題は「個人の力ではどうしようもない社会状況」ゆえに必然的に引き起こされた問題だと考...
【経済発展と倫理観】
昨今では、新薬や医療技術の開発についても、真に医学や患者のための開発なのか、利潤の追求が目的なのか疑わしく思われるような事例も数多く見受けられます。 社会の発展の仕組みに「需要と供給の関係」が深くかかわっている以上、発展を望めばどのような分野であれ、需要が生み出されるような方策を講じる必要が起こってくるのでしょう。 目的のためならば手段を選ばないというようなやり方でよいのか、方法がなんであれ結果さえよければ許されるのか等、様々な問題も浮かび上がってくるように思われます。 また、このような疑問か...
【日本とアジアの関係】
 まずは 日本人側の「警戒心」について考察を深めましょう。同じアジア人であっても、文化や風習などに違いがあれば、まるで異なる文化圏に属する人々、といった印象を日本人は抱きますね。だからといって区別をするのは「おかしな話」だ、という指摘はもっともだと思います。さらに、お互いの関係作りを妨げているのは、「警戒心」ではないかと考えられます。 そこで、そこから一歩考察を進め、「では、この警戒心を取り払うには、いったいどうすればいいのか」と、自問自答することによって、より視野を広げることができたのではない...
【日本とアジアの関係 2】
それは単に、文化や宗教の違いから生じているものではないでしょう。その背景には、先の戦争中に日本が行った、侵略の事実があることを忘れてはならないと思います。その結果、戦後50年以上が経過した今でも、日本とアジア諸国との関係がまだ十分に改善されていないとすれば、これはやはり大きな問題ではないでしょうか。 これからの世界情勢の流れの中で、日本がアジアの一員としての意識をもつ必要性はどれくらいあるのだろうか、また次第に勢力を伸ばしつつあるアジア勢力の中で、日本の立場はどのように変化していくのだろうか、な...
【日本人の国民性】
 国民性とは、他者の認識によって明らかにされるものですが、自分の自覚が他者の認識と異なるかどうか、つまり、世界から日本人が「おおらかな国民性を失った」と認識されているのに、自分たちはそうは思っていないのか、あるいはそう思っている人たちもいるのか、その判断は、社会の風潮や世相を読むチカラとそれに関する知識が必要になりそうです。 昔の日本人は「おおらかな国民性」であったものが、戦後の経済発展によって「せっかちな国民性」になったということです。ですから「国民性を失っている」というような使い方ではなく「...
【日本人のアジア観】
「日本を除く地域のことを言っていると思う」と考えることも出来るでしょう。確かに日本人が「アジア」というと自分の国を含まない、よそよそしい雰囲気があります。その点を指摘しているのだとすれば的を得た視点だと思います。しかし日本とアジアの間に日本人が引く一線とは何でしょうか。あなたはそのことに気付いて述べているのでしょうか。そのことを具体的に読み手に伝えなくては自分の意見を立証できません。例えば、「アジア」は貧しい国々の集まりで日本はその仲間ではないという意味か、「アジア」は後進国の集まりで日本は先進...
【日本人のアジア観 2】
 「アジアの一員と言われることについてどう考えるか」なので、例えば「私は日本がアジアの一員だとは思わないので、そう言われることに抵抗がある」のように答えるべきでしょう。 また、その意見をちゃんと納得させられる裏付けでもあれば意表をついた大胆な意見として注目に値するかも知れませんが、その裏付けがなければ無謀な断言と言われても仕方ないでしょう。なぜなら、地理的に日本はアジアの地域に入っているからで、変えようのない事実だからです。 それでは日本が独自の伝統文化を取り入れた生活に戻らない限りアジアの一員...
【在宅介護】
 在宅介護の労苦は家族の中の特定の誰かによって担われることが多く、介護疲れから高齢者への虐待が行われたり、果ては傷害致死や無理心中にまで発展してしまう深刻なケースも後を絶ちません。また、そこまでのことには至らなくても、家族の誰かが介護の負担を強いられたり、犠牲を払ったりしなければ成り立たない在宅介護の現状は、やはり問題ではないでしょうか。 女性の社会進出や核家族化が進む中、一人の女性の負担にばかり頼る在宅介護のあり方は見直されてしかるべきだと思いますが、このような在宅介護の問題を解決するために、...
【介護する側とされる側】
誰しも老化を避けて通ることはできないのですから、高齢化の問題を考える際には、それを将来のわが身の問題として捉えていく姿勢こそ忘れてはならないと思います。あるいは、施設で介護サービスを受ける場合には、機械や薬にまかせるばかりではなく、どのような介護が望ましいのでしょうか? また、生きていくために必要なことは、設備そのものの充実だけではなく、他にどのようなことが必要なのでしょうか? そういったことがらについても具体的に考えてみましょう。「望ましい高齢化社会」というのは、元気な高齢者にとっても、やはり...
【社会生活と個性の主張】
「個性」を突き詰めて考えると、「何も突出してできるものがない」ことを「バランスが取れている」と見ることもできるのです。これも個性の一つのあり方だと言えると思います。このようにして、個性をさまざまな面から見ることで、個性の本質を追求してみると良いと思います。そのうえで、個性と社会全体との関わりを考えていきましょう。 自らの個性を主張する者は、自分自身に厳しさをもたなければなりません。そうしなければ個性がたんなる楽をするいいわけになってしまうからです。人間は社会を離れて生きていくことはできません。ど...